えむ

まずHOTの原理についても少し教えていただけますか?
どうして機械から酸素が出てくるのか不思議です。

守屋さん

空気は、約78%の窒素と21%の酸素でできています。
酸素濃縮器はまず外の空気を吸い込み、その空気を圧縮します。
圧縮することで、空気中のガスが密集し、次の工程に備えます。
次に、ゼオライトという特殊な材料を使って、空気中の窒素を吸着します。
ゼオライトは、圧縮された空気中において窒素を選択的に吸着し、減圧されると窒素を放出する性質があります。これによって空気中の窒素を効果的に取り除くことができ、窒素が取り除かれると酸素が残るわけです。

なるほど。空気から窒素を取り除いているんですね!

在宅酸素療法の歴史についても教えてください。

在宅酸素療法(以下HOT)は1960年代に米国・英国を中心に始まり、1975年頃より国内でも一部の施設で行われるようになり、1985年に酸素濃縮装置によるHOTが保険適用され今年で38年となります。

えむ

保険適応になって40年近くになるんですね。

時代背景としては高齢者人口の増加とともに、COPDなどの呼吸器疾患や循環器疾患が増加し、生命維持のため酸素吸入が必要とされる患者さんが増えてきた頃でした。

酸素吸入のためだけに入院を余儀なくされていた患者さんはHOTにより在宅での生活が可能となり、長期入院の解消へとつながり、患者様の生活の質向上に大きく貢献しました。

えむ

画期的な治療法だったんですね!

しかし当時は酸素濃縮装置をレンタルするのに制度を利用しても月に5万円ほどかかりました。自費で使用する方もおられました。
自宅の改修工事が必要でしたし、器械も消費電力の騒音もかなり大きいものでした。
私共フクダ電子グループで始めて取り扱いを開始したのが1984年で、こちら(写真)このような大きい器械でした。

かなり大きかったんですね。

技術の進歩や各医療機器メーカーの努力により年々器械は小型・軽量で静音性や消費電力を抑えた機器へと進化してきました。
また外出時に持ち運び可能な携帯用酸素ボンベも病院等で使われている鉄製の重たく大きい容器の物ではなく、コンパクトで軽量な樹脂製のFRP複合容器へと進化し、近年では持ち運び可能な携帯型酸素濃縮装置(POC)の普及も加速しています。