気管内吸引

はじめに

吸引とは、呼吸を楽にするために気道に貯留した分泌物を除去して気道を開通させることです。鼻腔、口腔内吸引と同様のタイミングで行います。

適応

自力で排痰ができない場合に適応になります。普段より呼吸数が多くて苦しそうな呼吸をしている時やむせた時に施行します。

手技

物品:口腔内吸引と同様です。

①カテーテルを挿入する直前までは鼻腔内、口腔内と同様です。気管内吸引は清潔に行う必要があるため、挿入する長さ(病院から指示あり)よりも上部を持ちます。吸引前には先端をアルコール綿でカテーテルを拭きます。

②指定された長さまでカテーテルを挿入したら左右にねじるようにして吸引圧をかけます。吸引時間は10秒前後が適切です。

③吸引が終了したら病院の指示どおりに呼吸の維持の処置(人工呼吸器の装着、酸素吸入など)を行います。

④最後にアルコール綿やウェットティッシュでカテーテルを清潔にして水道水を吸引して清潔を保ち保管容器内に戻します

日々の観察

  • 喀痰の量、性状(鼻腔内/口腔内吸引と同様)
  • カテーテルは清潔か。気管吸引カテーテルは口鼻腔用とは別に用意し,1日1本で交換する。

補足、Q&A、コラム

・気管内の分泌物に血液が混入するときは?
鮮血や痰よりも血液が多いときは速やかに病院を受診しましょう。少量の場合は気管内の損傷や肉芽からの出血です。吸引の長さを確認しましょう。


・痰が固いときは?
加湿不足かもしれません。水分補給や部屋の湿度、人工呼吸器の加湿温度を病院に相談しましょう。