在宅酸素療法(Home Oxygen Therapy;HOT)

はじめに

HOT(home oxygen therapy)は自宅で酸素投与を行う治療法です。新生児慢性肺疾患はHOT施行の基礎疾患として最多で成長に伴い1-2年以内にHOT離脱が可能です。

適応

  • 慢性呼吸不全
  • 慢性心不全、肺高血圧症 など

種類

  • 酸素ボンベ:圧縮された酸素がはいっていてボンベの流量設定で指示量の酸素を供給できます。災害時、酸素濃縮器のバックアップとして必要です。
  • 液体酸素:液体の酸素を気化して酸素を作り出します。外出時に持ちはこべます。
  • 酸素濃縮器:空気中の21%の酸素を90%まで濃縮できる機器です。電源があればどこでも使用できますが、持ち運びはできません。

手技

酸素濃縮器
①電源プラグをコンセントに差し込みます。

②運転スイッチを押します。

③指示された酸素流量※を設定します。

④鼻カヌラを装着します。

注意点:
・酸素流量は必ず医師の処方した指示量に設定してください。
・たこ足配線は厳禁です。火災の原因になります。
・フィルタは1-7日に一回は水道水で洗浄してください。水洗いして乾燥させてから使用します。
・加湿瓶は必ず精製水(薬局で購入)を利用して週に2-3回は交換します。
・鼻カヌラは汚れやすいのでこまめに洗いましょう。

日々の観察

  • チューブが折れ曲がっていないか。つなぎ目が緩んでいないか。
  • パルスオキシメータの値は普段と変わりないか。
  • カヌラによる皮膚損傷はないか。
  • 精製水の量は十分か。
  • 酸素濃縮装置のフィルタは清潔か。
  • 酸素流量は合っているか。
  • 携帯用酸素ボンベを車に置き忘れていないか。

補足、Q&A、コラム

・酸素濃縮装置の保管場所は?
火気、水気、直射日光をさけてください。壁からは15㎝以上離しましょう。


・携帯用酸素ボンベの保管場所は?
風通しのよい直射日光の当たらない場所がよいです。暑い場所、炎天下、湿気、火気のある場所は避けましょう。


・旅行がしたいときは?
移動中は携帯用酸素ボンベを使用してください。その際に、事前に各交通機関へ携帯用酸素ボンベの持ち込み可否を確認してください。また、携帯用酸素を持ち込む場合に設置するため座席確保が必要です。